派遣労働者へのキャリアアップ実施割合は73.9%

厚生労働省は、「民間人材ビジネス実態把握調査(派遣元事業者)」の結果をまとめた。調査は、平成25年度の「労働者派遣事業報告」(労働者派遣法で、派遣元事業主に対し、年度ごとの運営状況を厚生労働大臣報告することを義務付けている)を提出した派遣元事業者から一定の方法で抽出した約1万1000事業所を対象に、27年6月1日時点で実施している(有効回答率44.5%)

それによると、派遣労働者の募集方法は(複数回答)、特定労働者派遣事業では、「ハローワーク」が43.2%と最も多く、次いで、「求人媒体(Web:就職サイト等)」21.7%、「自社ホームページへの掲載、自社開催の説明会」19.2%の順となっている。一方、一般労働者派遣事業では、「求人媒体(Web:就職サイト等)」が63.4%と最も多く、次いで、「自社ホームページへの掲載、自社開催の説明会」59.6%、「求人媒体(紙:就職情報誌、新聞折り込みチラシ等)」55.4%の順となった。

労働者へのキャリアアップの実施状況をみると、「実施している」事業所の割合は73.9%となっており、具体的内容としては(複数回答)、「資格取得の支援(受験費用の補助、割引)」が57.1%と最も多く、以下、「派遣先が当該事業所の労働者向けに実施している教育訓練への参加」52.6%、「派遣先と連携した派遣労働者への計画的なOJT」34.6%と続いている。

派遣契約期間の終了した派遣労働者への雇用安定措置の内容をみると(複数回答)、「新しい派遣先の提供」が51.1%と最も多く、次いで、「自社での内勤化(内勤への転換)」47.5%、「派遣先での直接雇用に向けた交渉」27.1%の順となった。

派遣先都合による労働者派遣契約の中途解除があった場合の対応状況は(複数回答)、「派遣労働者に対して新たな就業機会を提供した」が84.4%と最も多く、「派遣労働者に対して休業手当を支給した」(23.5%)が続いている。

直近の事業年度におけるマージン率をみると、「20%未満」が38.1%と最も高く、以下、「20%以上25%未満」17.6%、「25%以上30%未満」16.6%、「30%以上35%未満」10.3%、「35%以上40%未満」9.1%と続いている。また、マージン率を40%以上で設定している事業所(全体の8.3%)のその理由・原因をみると、「派遣労働者に支払う各種手当(賞与、特別手当等)の積立金が大きな割合を占めているため」が38.7%と最も高く、次いで、「営業利益を見込むため」が30.3%となった。