死亡者数は3年ぶりに、死傷者数は2年連続増加

厚生労働省がまとめた平成29年の労働災害発生状況(平成30年3月7日現在の速報値)によると、死亡者数・死傷者数ともに前年同期を上回っている。

それによると、29年の労働災害による死亡者数は925人となっており、前年同期(894人)と比べ31人(3.5%)増加している。30年2月7日時点の速報値でも対前年同期比4.9%増となっていることから、近くまとめられる確定値は前年(928人)を上回るとみられ、3年ぶりに増加に転じる見通し。

死亡者数を業種別にみると、建設業が304人(全体の32.9%)と最も多く、次いで、第三次産業224人(同24.2%)、製造業157人(同17.0%)、陸上貨物運送事業128人(同13.8%)の順となっている。前年との比較では、第三次産業(15人減)と製造業(13人減)では減少しているが、建設業(18人増)と陸上貨物運送事業(36人増)では増加している。

次に、休業4日以上の死傷者数は11万8079人となっており、前年同期(11万5610人)と比べ2469人(2.1%)増加している。この時点で前年の確定値(11万7910人)を上回っており、29年は2年連続で増加する

死傷者数を業種別にみると、第三次産業が5万4666人(全体の46.3%)と最も多く、次いで、製造業2万6249人(同22.2%)、建設業1万4874人(同12.6%)、陸上貨物運送事業1万4488人(同12.3%)の順となっている。前年との比較では、減少しているのは林業(239人減の1303人)と交通運輸事業(55人減の3223人)の2業種のみで、他の業種はいずれも増加しており、第三次産業が1624人増、陸上貨物運送事業が747人増、製造業が214人増などとなっている。

また、平成30年1月~2月の労働災害発生状況(30年3月7日現在の速報値)をみると、死亡者数は114人となっており、前年同期(140人)と比べ26人(18.6%)減少している。

業種別では、建設業が39人(全体の34.2%)と最も多く、次いで、第三次産業31人(同27.2%)、製造業23人(同20.2%)、林業9人(同7.9%)、陸上貨物運送事業8人(7.0%)の順となっている。前年との比較では、増加しているのは林業(2人増)と建設業(1人増)の2業種のみで、他の業種はいずれも減少している。

次に、死傷者数は1万2171人となっており、前年同期(1万809人)と比べ1362人(12.6%)増加している。

業種別では、第三次産業が5463人(全体の44.9%)と最も多く、次いで、製造業2801人(同23.0%)、陸上貨物運送事業1620人(同13.3%)、建設業1415人(同11.6%)の順となっている。前年との比較では、減少しているのは林業(13人減)と港湾運送業(7人減)、鉱業は前年と同数となっており、他の業種はいずれも増加している。