是正企業数は2年ぶりに増加に転じ1348企業

厚生労働省は、平成27年度の賃金不払残業(サービス残業)の是正結果をまとめた。今回まとめられたのは、全国の労働基準監督署が、平成27年4月から28年3月までの1年間に、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、不払いの割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上の事案。

それによると、是正企業数は1348企業(前年度比19企業増加)、対象労働者数は9万2712人(同11万795人減少)、支払われた割増賃金の合計額は99億9423万円(同42億5153万円減少)となっている。支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり741万円、労働者1人当たり11万円となっている。なお、企業数は2年ぶりの増加、対象労働者数は2年ぶりの減少、是正支払額は3年ぶりの減少となる。

また、1企業当たり1000万円以上の割増賃金が支払われた事案は、是正企業数が184企業、対象労働者数が4万9522人、支払われた割増賃金の合計額が66億800万円となっている。

次に、業種別の状況をみると、企業数が最も多いのは製造業の332企業(全体の24.6%)、次いで、商業267企業(同19.8%)、その他の事業146企業(同10.8%)、保健衛生業142企業(同10.5%)、建設業112企業(同8.3%)の順となった。

対象労働者数が最も多いのは製造業の2万5834人(全体の27.9%)、次いで、保健衛生業1万8839人(同20.3%)、金融・広告業1万1636人(同12.6%)、商業1万1603人(同12.5%)、その他の事業9423人(同10.2%)の順となっている。

是正支払額が最も多いのは製造業の23億7042万円(全体の23.7%)、次いで、保健衛生業20億210万円(同20.0%)、金融・広告業12億7490万円(同12.8%)、商業11億8107万円(同11.8%)、その他の事業8億5673万円(同8.6%)の順となった。