所定外労働した者の35%にサービス残業「あり」
公益財団法人連合総合生活開発研究所(古賀伸明理事長)は、第30回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査」の結果をまとめた。今回の調査では、勤労者の仕事に関する意識などの定点調査のほかに、「労働時間に関する意識と実態」、「最近の賃金動向と消費意欲」などについて調査している。調査時期は平成27年10月上旬、調査対象は株式会社インテージリサーチのインターネットアンケートモニター登録者の中から無作為に抽出した首都圏及び関西圏に居住する20〜64歳の民間企業に雇用されている者2000人。
調査結果の中から、労働時間に関する意識と実態についてみると(平成27年9月の実態)、所定外労働(残業及び休日出勤)を行ったとする者の割合は37.1%となっており、その平均所定外労働時間は38.4時間となっている。これを性・就業形態別にみると、所定外労働を行った者の割合は、男性正社員が51.9%(平均所定外労働時間44.4時間)、男性非正社員が28.9%(同33.6時間)、 女性正社員が34.2%(同30.2時間)、女性非正社員が14.7%(同15.7時間)となっている。
また、所定外労働を行った者のうち、「仕事をやりたくないと感じることが多かった」 と回答した者の割合は37.5%となっており、 その割合は所定外労働時間が長くなるほど高く、「所定外労働時間が45時間以上80時間未満」では39.4%、「同80時間以上」では53.6%となった。
所定外労働を行った理由をみると(複数回答)、「人手が足りないから」が43.9%と最も高く、次いで、「突発的な仕事があるから」41.0%、「残業を織り込んだ業務運営となっているから」30.1%、「自分が納得するように仕事を仕上げたいから」24.0%、「先に帰りづらい雰囲気があるから」14.7%の順となっている。
賃金不払い残業(サービス残業)の実態についてみると、残業手当が支給される立場の者で「申告しなかった時間がある」と回答した者の割合は35.1%となっている。これを性・就業形態別にみると、男性正社員では37.5%、男性非正社員では23.9%、女性正社員では41.9%、女性非正社員では20.7%となった。
残業手当未申告の時間があった理由としては、「申告をする際、自分自身で調整したから」68.8%、「申告する際、上司から調整するよう言われたから」18.2%となっている。