年休の取得率は3年連続で上昇して51.1%に

厚生労働省はこのほど、平成30年「就労条件総合調査」の結果をまとめた。それによると、年次有給休暇の取得率は51.1%となっており、3年連続で前年を上回った。

この調査は、賃金制度、労働時間制度などについて毎年実施しているもの。30年は、常用労働者30人以上の民営企業6370社(有効回答3697社)を対象に、30年1月1日現在の状況(年間については29年1年間または28会計年度の状況)について実施している。

まず、年次有給休暇の取得状況をみると、平成29年(または平成28会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇の日数(繰越分を除く)は、労働者1人平均18.2日(前年18.2日)、そのうち労働者が取得した日数は9.3日(同9.0日)で、取得率は51.1%(同49.4%)となっている。取得率が前年を上回ったのは3年連続で、現在の調査対象になった平成19年以降では最も高い水準となっている。

また、年次有給休暇の取得率を男女別にみると、男性が47.5%(前年46.8%)、女性が57.0%(同55.4%)となっており、女性が男性を9.5ポイント上回っている。企業規模別にみた取得率は、1000人以上で58.4%(前年55.3%)、300~999人で47.6%(同48.0%)、100~299人で47.6%(同46.5%)、30~99人で44.3%(同43.8%)となっており、小規模企業ほど取得率が低い。

変形労働時間制の導入状況をみると、採用企業割合は60.2%(前年57.5%)となっている。種類別(複数回答)の採用企業割合は、「1年単位の変形労働時間制」35.3%(前年33.8%)、「1か月単位の変形労働時間制」22.3%(同20.9%)、「フレックスタイム制」5.6%(同5.4%)となった。

また、みなし労働時間制の採用企業割合は15.9%(前年14.0%)となっている。種類別(複数回答)では、「事業場外のみなし労働時間制」14.3%(同12.0%)、「専門業務型裁量労働制」1.8%(同2.5%)、「企画業務型裁量労働制」0.8%(同1.0%)となっている。

次に、賃金制度に関して時間外労働の割増賃金率についてみると、「一律に定めている」企業割合は82.7%(前年83.4%)、「時間外労働時間数等に応じて異なる率を定めている」9.8%(同10.3%)などとなった。「一律に定めている」企業における率をみると、「25%」が93.0%(前年93.5%)と9割以上を占め、「26%以上」が6.1%(同6.3%)となっている。

また、時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1ヵ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を定めている企業割合は30.1%(前年32.2%)となった。そのうち、率を「25~49%」とする企業割合は40.3%(同49.6%)、「50%以上」56.2%(同48.9%)となっている。