原因が「勤務問題」の自殺者数が前年より増える

厚生労働省は、「平成29年度我が国における自殺の概況及び自殺対策の実施状況」(平成30年版自殺対策白書)を取りまとめた。それによると、我が国の自殺者数は、平成10年以降、14年連続して3万人を超える状況が続いていたが、24年に15年ぶりに3万人を下回り、29年は前年(2万1897人)と比べ576人(2.6%)減少の2万1231人となった。

自殺者数を職業別にみると、「無職者」が1万2280人で全体の57.6%を占め最も多く、ほかでは、「被雇用者・勤め人」6432人(30.2%)、「自営者・家族従業者」1445人(6.8%)、「学生・生徒等」817人(同3.8%)などとなった。

これを前年と比べると、「無職者」(前年比594人減)と「自営業・家族従業者」(同93人減)は減少しているが、「被雇用者・勤め人」(同108人増)と「学生・生徒等」(同26人)は増加している。

また、原因・動機別にみると、原因・動機特定者は1万5930人で、そのうち、最も多いのは「健康問題」で1万778人、次いで、「経済・生活問題」3469人、「家庭問題」3179人、「勤務問題」1991人、「男女問題」768人、「学校問題」329人の順となっている(原因・動機は最大3つまで計上しているため、原因・動機別の自殺者数の合計と原因・動機特定者数は一致しない)。

これを前年と比べると、前年より増加しているのは、「勤務問題」(13人、0.7%増)、「学校問題」(10人、3.1%増)、「男女問題」(4人、0.5%増)、一方、「健康問題」(236人、2.1%減)、「家庭問題」(158人、4.7%減)、「経済・生活問題」(58人、1.6%減)は減少している(28年の原因・動機特定者は1万6297人)。

原因・動機が「勤務問題」の自殺者数を男女別にみると、男性が1768人、女性が223人となっている。年齢階級別では、「19歳以下」24人、「20~29歳」403人、「30~39歳」420人、「40~49歳」563人、「50~59歳」433人、「60~69歳」116人、「770~79歳」27人、「80歳以上」5人となっている。

また、男女・年齢階級別では、男性は40歳代が510人と最も多く、以下、50歳代397人、30歳代370人、20歳代339人、60歳代100人と続いている。一方、女性は20歳代が64人と最も多く、次いで、40歳代53人、30歳代50人、50歳代36人、60歳代16人の順となっている。