労働関係の2本の法案を相次いで上程

 政府は、労働関係の2つの法案を3月8日と同19日に相次いで国会に提出した。まず、3月8日に、事業主に対してパワーハラスメント防止のための相談体制その他の雇用管理上の措置を義務付けるなどを内容とした「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」が、また、同19日に、障害者雇用に関する優良な中小事業主の認定制度の創設などを内容とした「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」が提出された。両法案とも今通常国会での成立を目指している。

 女性活躍推進法等改正案は、①一般事業主行動計画の策定義務の対象を、常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大し、また、情報公表義務の対象を101人以上の事業主に拡大し、301人以上の事業主については、公表すべき情報を拡大する(女性活躍推進法の改正)、②国の講ずべき施策として、職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決の促進を明記することとし、また、事業主に対して、パワーハラスメント防止のための相談体制の整備その他の雇用管理上の措置を義務付け、事業主に対し、労働者がパワーハラスメントに関し事業所内窓口に相談したこと等を理由とした不利益取扱いを禁止する(労働施策総合推進法の改正)、③セクシュアルハラスメント等について、②と同様の事業主に対する不利益取扱いの禁止規定を設ける(男女雇用機会均等法の改正)、④育児休業等に関するハラスメントについて、②と同様の事業主に対する不利益取扱いの禁止規定を設ける(育児・介護休業法の改正)、⑤②から④までに伴い、派遣労働者に係る各法律の適用の特例を整備する(労働者派遣法の改正)──がその主な内容(詳しくは本誌第1989号参照)。

障害者雇用促進法改正案は、①労働者数が常時300人以下の事業主からの申請に基づき、当該事業主について、障害者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取組みの実施状況が優良であることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨を認定し、認定を受けた事業主は、商品等に厚生労働大臣の定める表示を付すことができる仕組みを設ける、②短時間勤務の障害者(勤務時間が厚生労働省令で定める時間の範囲内の者に限る)を雇用する事業主に対して、これらの障害者の雇用継続等の促進を図るための特例給付金を支給する、③国及び地方公共団体の任命権者は、障害者職業生活相談員を選任し、職員の職業生活に関する相談指導を行わせなければならないこととする、④国及び地方公共団体の機関に勤務する職員並びに民間事業主に雇用される労働者が、障害者雇用率の算定対象となる障害者であるかどうかの確認方法について、厚生労働省令で定める書類により行う──がその主な内容。