労働生産性向上策は「改善でコスト削減」が55%

(独)労働政策研究・研修機構(JILPT、菅野和夫理事長)は、「ものづくり産業における労働生産性向上に向けた人材確保、定着、育成等に関する調査」の結果をまとめた。調査は、鉄鋼業、金属製品製造業、電気機械器具製造業など主な製造業11業種に属する従業員数10人以上の企業2万社を対象に、平成27年11月から12月にかけて実施しており、有効回収した5785件について集計している(有効回答率28.9%)。

調査結果をみると、労働生産性を向上させるために行っている取組み(自社の「強み」を伸ばす取組み)として、どのようなものがあるかをみると(複数回答)、「改善の積み重ねによるコスト削減」が55.0と最も多く、次いで、「受注の拡大」44.9%、「改善の積み重ねによる納期の短縮」37.3%、「営業力の強化」32.7%、「従来の製品や技術への付加価値の付与」31.6%、「単品、小ロットへの対応」30.5%、「他社にはできない加工技術の確立」30.0%の順となっている。

労働生産性を向上させるために行っている取組みを進めるため、過去3年間で実施した施策の状況をみると(分野別)、「人材確保や人材育成・能力開発」が54.1%、「生産設備・工程の改善」が52.3%、「生産管理」が33.4%、「自動化・機械化」が29.8%、「人事労務管理(労働時間短縮等)」が22.1%などとなった。

実施した際の効果をみると、効果があった(「非常に効果があった」と「効果があった」の合計)とする企業割合は、「人材確保や人材育成・能力開発」67.5%、「生産設備・工程の改善」88.1%、「生産管理」78.0%、「自動化・機械化」91.1%、「人事労務管理(労働時間短縮等)」62.0%となっている。

「人材確保や人材育成・能力開発」に該当する分野の施策を実施し、効果があったと回答した企業における具体的な施策の内容をみると(複数回答)、「正社員の採用の強化」が50.2%と最も多く、次いで、「改善提案や小集団活動・QCサークルの奨励」29.5%、「技能伝承のための取り組み」25.1%、「自社の技能マップの作成・活用」18.3%、「非正社員の正社員への登用」18.2%、「Off-JTの強化・拡大」15.8%の順となっている。

自社の労働生産性が3年前と比べ、どのように変化したと考えているかをみると、「向上した」16.4%、「やや向上した」48.2%、「変わらない」24.3%、「やや低下した」7.6%、「低下した」2.0%となっている。これを業種別にみると、向上した(「向上した」と「やや向上した」の合計)とする企業割合が最も高いのは、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」(70.7%)、以下、「情報通信機械器具製造業」(67.8%)、「金属製品製造業」(66.9%)と続いている。