雇調金の支給要件の雇用者数に関する要件を撤廃

厚生労働省は、平成30年北海道胆振東部地震の災害に伴う雇用調整助成金の特例措置を講じた。

同助成金の原則の支給要件は、①売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3ヵ月間の月平均値が、前年同期に比べ10%以上減少していること、②雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数の最近3ヵ月間の月平均値が、前年同期と比べ5%以上を超え、かつ6人以上(中小企業の場合は10%を超え、かつ4人以上)増加していないこと──となっている。

同省では、同地震による災害に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対しては、上記要件のうち、①の生産量等の要件の確認期間を「3ヵ月」から「1ヵ月」に短縮し、②の要件は撤廃した。

さらに、災害発生時において起業後1年未満の事業主についても助成対象としている。災害発生時に起業1年未満の事業主にあっては、昨年同期の生産指標と比較が困難であるため、災害発生時直前の指標と比較する。

これらの特例措置は、同地震による災害に伴う休業等であれば、被災地以外の事業所でも利用が可能。また、休業等の初日が平成30年9月6日以降に初回の休業等がある計画届から適用することとし、平成30年12月20日までに提出のあったものについては、休業等の前に届け出られたものとして扱われる。

なお、災害に伴う「経済上の理由」の具体例としては、①取引先の地震被害等のため、原材料や商品等の取引ができない場合、②電気・水道・ガス等の供給停止や通信の途絶により、営業ができない場合、③風評被害により、観光客が減少した場合、④事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や修理部品の調達が困難なため、早期の修復が不可能であることによる事業活動の阻害──などが該当する。