副業する労働者の週実働時間は約48時間

本業・副業とも「雇用」で働いている人の週平均実労働時間は約48時間となっていることが分かった。これは、厚生労働省が今年7月に設置した「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」(座長・守島基博学習院大学経済学部経営学科教授)の第2回会合に同省が提出した資料で明らかになったもの。それによると、本業の就業形態が「雇用」で、副業も「雇用」で働く人の週平均実労働時間は47.68時間となっている。これを副業の数の別でみると、副業が3つ以上の人では66.66時間となっている。

 今回明らかになった実態は、(独)労働政策研究・研修機構が2017年の秋に実施した複数就業者の実態調査の結果によるもの(速報版)。調査対象は約185万人で、約15万7000人から有効回答を得たものを集計している。

それによると、副業をしている人と副業をしていない人の本業での労働時間をみると、副業をしている人(本業・副業とも「雇用」)の週平均実労働時間は33.42時間、一方、副業をしていない人(本業「雇用」)は同39.66時間となっており、副業をしていない人の方が本業の労働時間が長い。

また、副業をしている人と副業をしていない人の本業の残業頻度をみると、副業をしている人(本業・副業とも「雇用」)では、「ほとんどしていない」52.2%、「たまにしている」28.6%、「よくしている」10.3%、「ほとんど毎日のようにしている」8.9%、一方、副業をしていない人(本業「雇用」)では、「ほとんどしていない」44.5%、「たまにしている」29.7%、「よくしている」12.3%、「ほとんど毎日のようにしている」13.5%となっている。

次に、本業と副業の合計労働時間(本業・副業ともに「雇用」)をみると、週平均所定労働時間は41.98時間、週平均実労働時間は47.68時間となっている。これを副業の数の別でみると、週平均所定労働時間は、「副業1つ」では40.10時間、「副業2つ」では45.26時間、「副業3つ以上」では56.54時間、週平均実労働時間は、「副業1つ」では44.91時間、「副業2つ」では53.17時間、「副業3つ以上」では66.66時間となっている。

また、副業をしている人(本業が「雇用」で、副業がどれか1つでも「雇用」)について、本業の就業形態別の本業と副業の合計労働時間をみると、本業が「正社員」の人は、週平均所定労働時間は48.86時間、週平均実労働時間は57.31時間、本業が「契約・嘱託社員」の人は、同43.36時間、同48.42時間、本業が「パート・アルバイト」の人は、同34.03時間、同37.17時間、本業が「派遣社員」の人は、同42.74時間、同46.98時間、本業が「請負会社の社員」の人は、同40.80時間、同46.40時間、本業が「期間工・季節工・日雇」の人は、同49.50時間、同55.38時間となっている。