実質賃金は2年ぶり減少に転じる

厚生労働省は、毎月勤労統計調査の平成29年度分結果(確報)をまとめた。それによると、平均月間現金給与総額は前年度比0.7%増の31万7844円となり、4年連続で増加した。そして、実質賃金は前年度比0.2%減となり、2年ぶりに減少に転じている。労働時間をみると、年間総実労働時間は1716時間で前年度(1720時間)より4時間減少し、比較可能な平成2年度以降で最も短くなった。また、年間総実労働時間のうち所定内労働時間は1585時間(前年度1590時間)、所定外労働時間は131時間(同130時間)となった。

 この調査は、常用労働者(パートタイム労働者を含む)5人以上の事業所約3万3000ヵ所を対象に実施している。

まず、賃金についてみると、平成29年度の1人平均月間現金給与総額は31万7844円(前年度比0.7%増)となり、4年連続で増加した。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は26万1398円(前年度比0.6%増)で3年連続の増加となった。また、所定内給与は前年度比0.6%増の24万1794円、所定外給与は同0.7%増の1万9604円、特別に支払われた給与(夏冬の賞与など)は同1.1%増の5万6446円となっている。

そして、実質賃金は前年度比0.2%減となり、2年ぶりに減少に転じた。

これを一般労働者でみると、現金給与総額は41万5251円(前年度比0.7%増)、きまって支給する給与は33万4792円(同0.5%増)、所定内給与は30万7918円(同0.6%増)、所定外給与は2万6874円(同0.9%増)、特別に支払われた給与は8万459円(同1.2%増)となっている。

次に、労働時間についてみると、1人平均月間総実労働時間は143.0時間(前年度比0.2%減)となった。総実労働時間のうち所定内労働時間は132.1時間(前年度比0.4%減)、所定外労働時間は10.9時間(同0.4%増)となった。

この結果、年間総実労働時間(平均月間総実労働時間を12倍して年換算したもの。小数点以下第一位を四捨五入)は1716時間となり、前年度(1720時間)より4時間減少した。年間総実労働時間のうち所定内労働時間は1585時間(前年度1590時間)、所定外労働時間(総実労働時間の年換算値から所定内労働時間の年換算値を差し引いたもの)は131時間(同130時間)となっている。

主な産業別の年間総実労働時間は、建設業2054時間(前年度2056時間)、製造業1962時間(同1951時間)、情報通信業1907時間(同1922時間)、運輸業、郵便業2065時間(同2060時間)、卸売業、小売業1619時間(同1628時間)、医療、福祉1621時間(同1618時間)などとなった。