早期退職優遇制度を採用している企業が約5割に
中央労働委員会事務局はこのほど、平成29年「賃金事情等総合調査」の結果をまとめた。調査は、資本金5億円以上、労働者1000人以上の企業(独自に選定した380社)を対象としている。29年調査では、「賃金事情調査」(毎年実施)と「退職金、年金及び定年制事情調査」(隔年実施)を行い、「賃金事情調査」は230社(回答率60.5%)、「退職金、年金及び定年制事情調査」は223社(同58.7%)から得た回答に基づいて集計している。
調査結果の中から、「退職金、年金及び定年制事情調査」についてみると、退職一時金を採用している企業(194社)における算定方法は、退職一時金の算定基礎に「退職時の賃金を用いる」企業が33社(制度がある企業の17.0%)、「退職時の賃金以外を用いる」企業が163社(同84.0%)となっている。
退職時の賃金以外を算定基礎給とする企業の算定方法としては、「点数方式(職能等級、勤続年数等を点数(ポイント)に置き換えて算定する方式)」が122社(退職時の賃金以外を算定基礎給とする企業の74.8%)、「別テーブル方式(賃金と連動しない体系またはテーブルで算定する方式)」が28社(同17.2%)などとなっている。
退職年金制度を採用している企業(201社)について、採用している退職年金をみると、「確定給付企業年金(規約型)」が97社(制度がある企業の48.3%)、「確定給付企業年金(基金型)」が66社(同32.8%)、「確定拠出年金(企業型)」が133社(同66.2%)などとなっている。
次に、定年制についてみると、選択定年制(早期退職優遇制度)を採用している企業は102社(定年制を採用している企業の49.5%)で、そのうち、退職一時金の優遇措置があるのは99社(選択定年制がある企業の97.1%)となっている。
優遇措置の内容(複数回答)としては、「定年退職と同等に扱う」企業と「退職時の年齢に応じて支給額を加算する」企業がともに43社(優遇措置がある企業の43.4%)、「実勤務年数に定年までの年数を加算する」企業が12社(同12.1%)などとなっている。
また、退職年金の優遇措置があるのは7社(選択定年制度がある企業の6.9%)となっている。