正社員の4割強の者が「持ち帰り残業」がある
公益財団法人連合総合生活開発研究所(古賀伸明理事長)は、第34回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査」の結果をまとめた。今回の調査では、勤労者の景況感や物価、仕事に関する意識などの定点調査のほかに、「勤務時間外の拘束・持ち帰り残業の実態」、「職場でのストレスとメンタルヘルスケア」などについて調査している。調査時期は平成29年10月上旬、調査対象は株式会社インテージのインターネットアンケートモニター登録者の中から無作為に抽出した首都圏及び関西圏に居住する20歳~64歳の民間企業に雇用されている者2000人。
調査結果の中から、勤務時間外の拘束・持ち帰り残業の実態についてみると、勤務時間(残業を含む)以外の時間や休日に業務・作業を行ったことが「ある」(「常にある」、「よくある」、「たまにある」の合計)と回答した者の割合は(項目別)、「メール・電話・SNSの対応」が46.8%、「呼び出しを受けて出勤」が28.5%、「持ち帰り残業」が30.9%となった。
これを就業形態別にみると、「ある」と回答した者の割合はどの項目も正社員の方が非正社員より高く、「メール・電話・SNSの対応」が正社員54.5%、非正社員32.1%、「呼び出しを受けて出勤」が同32.0%、同21.7%、「持ち帰り残業」が同40.4%、同12.9%となっている。
勤務時間以外に行った業務・作業の1ヵ月当たりの平均時間数(29年9月)は、「メール・電話・SNSの対応」が3.6時間、「持ち帰り残業」が5.5時間となっている。これを週実労働時間階層別にみると、50時間以上の層では、「メール・電話・SNSの対応」が6時間を超え、「持ち帰り残業」が10時間前後となっている。
勤務時間以外の業務・作業を上司に伝えているかどうかに関しては、「まったく伝えていない」と回答した者の割合は、「メール・電話・SNSの対応」が38.7%、「持ち帰り残業」が45.0%となった。これを業務・作業の頻度別にみると、いずれも、業務・作業の頻度が多くなるほど、「すべて伝えている」と「ほとんど伝えている」を合わせた割合は高くなっており、「メール・電話・SNSの対応」が「たまにある」では19.3%、「よくある」では29.7%、「常にある」では40.9%、また、「持ち帰り残業」が「たまにある」では13.5%、「よくある」では28.7%、「常にある」では38.7%となっている。