労災認定は石綿肺の74件を含め1055件に
厚生労働省は、平成28年度における石綿(アスベスト)による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況(速報値)をまとめた。
それによると、石綿による疾病(肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚)に係る労災保険給付の請求件数は1106件となっており、前年度(1063件)と比べ43件(4.0%)増加している(27年度の数値は確定値。以下同じ)。また、支給決定件数(28年度に請求されたものに限らない)は、23年度から集計を始めた石綿肺の74件を含め1055件となっている(27年度の石綿肺の支給決定件数は65件)。なお、石綿肺を除いた支給決定件数は981件で前年度(969件)と比べ12件(1.2%)の増加となった。
これを疾病別にみると、請求件数は、肺がん424件(27年度414件)、中皮腫596件(同578件)、良性石綿胸水31件(同26件)、びまん性胸膜肥厚55(同45件)となっている。支給決定件数は、肺がん386件(27年度363件)、中皮腫540件(同539件)、良性石綿胸水20件(同20件)、びまん性胸膜肥厚35件(同47件)となった。
次に、平成18年3月27日に施行された石綿救済法に基づく特別遺族給付金の請求・決定状況をみると、請求件数は36件となっており、前年度(30件)と比べ6件(20.0%)増加している。また、支給決定件数は13件で前年度(20件)と比べ7件(35.0%)減少した。
支給決定件数を疾病別にみると、肺がん10件(27年度12件)、中皮腫1件(同8件)、石綿肺2件(同0件)、びまん性胸膜肥厚0件(0件)となっている(請求時には疾病名は記載しないため、疾病別の請求件数は集計できない)。