過労死が多い業種のアンケート結果など掲載
厚生労働省は、平成29年版過労死等防止対策白書の骨子(案)を示した。白書は、平成26年11月1日施行の過労死等防止対策推進法に基づくもので、我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況の年次報告書。
それによると、29年版の白書は、「過労死等の現状」、「調査研究結果からみた過労死等の状況」、「過労死等の防止のための対策の実施状況」の3部構成。
第1章の「過労死等の現状」では、平成28年度の過労死等の労災補償状況(平成29年6月下旬公表予定)、労働時間の状況、職場におけるメンタルヘルスの状況などを記述する。
第2章の「調査研究結果からみた過労死等の状況」では、労働・社会分野の調査分析結果として、法人役員・自営業者を対象とした労働時間の実態、保険の加入状況、ストレスの状況などに関するアンケート調査の結果、また、過労死が多く発生しているとの指摘がある業種(自動車運転従事者、外食産業)を対象とした労働時間(制度)の実態、休暇取得状況、過重労働・メンタルヘルス対策の取組状況、ストレスの状況などに関するアンケート調査(企業調査及び労働者調査)の結果などを盛り込む。
第3章の「過労死等の防止のための対策の実施状況」は、政府における取組み及び過労死等防止対策推進法で規定されている過労死等防止のための4つの対策(調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援)の実施状況が主な内容になる。
政府における取組みとしては、厚生労働省が昨年12月26日に決定した「『過労死等ゼロ』緊急対策」の概要・進捗状況、「働き改革実現会議」(議長・安倍首相)が今年3月28日に決定した「働き方改革実行計画」について記述する。
また、過労死等を防止するための4つの対策に関しては、過重労働による健康障害防止に関する周知・啓発、職場のパワーハラスメントの予防・解決のための周知・啓発、都道府県労働局など行政による企業への働きかけなどのほか、人事院、総務省、文部科学省などにおける過労死等の防止対策の実施状況についても取り上げている。
さらに、過労死等防止対策推進全国センター、全国過労死を考える家族の会、過労死弁護団全国連絡会議など民間団体と連携したシンポジウムや過労死遺児交流会の開催状況を掲載する。
厚生労働省は、現在取りまとめ中の労働・社会分野のアンケート結果を白書に反映させ、白書の内容を確定することとしており、今秋には閣議決定される見通し。