障害者雇用義務を果たさず改善しない2社を公表
厚生労働省は、障害者雇用促進法に基づき、障害者雇入れ計画の適正実施勧告に従わず、障害者の雇用状況に改善がみられない2社の企業名を公表した。
同法では、障害者の雇用を促進するため、民間企業に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業は2.0%)以上の障害者の雇用を義務付けている。法定雇用率を達成していない場合は、厚生労働大臣が「障害者雇入れ計画」の作成命令(法第46条第1項)や計画の適正実施の勧告(法第46条第6項)を行い、勧告に従わない場合は、企業名を公表できることになっている(法第47条)。
企業名が公表されたのは、「株式会社エル・エム・エス」(本社:東京都文京区、卸売業)と「株式会社きもと」(本社:東京都渋谷区、その他の製造業)の2社。
平成28年度は、平成26年1月1日を始期とし、27年12月31日を終期とする雇入れ計画を作成した452社のうち、雇用状況の改善が特に悪かった53社と、27年に企業名を公表または公表猶予した3社の計56社を対象に、障害者の雇用状況に改善がみられない場合、企業名を公表することを前提とした指導を実施。その結果、上記の2社は、指導終了後の29年1月1日以降、3月末に至るまでも雇用状況に改善がみられないため公表に至った。
なお、国及び都道府県の機関については、同法において、雇用状況に改善がみられない場合、適正実施を勧告できることになっているが、各機関とも一定の改善がみられ、勧告を行う機関はなかった。