労災給付の請求・支給決定は前年度よりやや減少

厚生労働省は、平成27年度における石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況(確定値)をまとめた。

それによると、石綿による疾病に係る労災保険給付の請求件数は1063件となっており、前年度(1096件)と比べ33件(3.0%)減少している。また、支給決定件数(当該年度に請求されたものに限らない)は石綿肺の64件を含め1033件となっている(石綿肺は、じん肺の一種で、23年度から集計を開始)。なお、石綿肺を除いた支給決定件数は969件で、前年度(1002件)と比べ33件(3.3%)減少した。

これを疾病別にみると、請求件数は、肺がん414件(前年度465件)、中皮腫578件(同561件)、良性石綿胸水26件(同26件)、びまん性胸膜肥厚45件(同44件)となっている。支給決定件数は、肺がん363件(前年度391件)、中皮腫539件(同529件)、良性石綿胸水20件(同32件)、びまん性胸膜肥厚47件(同50件)となっている。

次に、平成18年3月27日に施行された石綿救済法に基づく特別遺族給付金の請求・決定状況をみると、請求件数は30件となっており、前年度(36件)と比べ6件(16.7%)減少している。また、支給決定件数(当該年度に請求されたものに限らない)は前年度と同件数の20件となっている。

支給決定件数を疾病別にみると、肺がん12件(前年度13件)、中皮腫8件(同6件)、石綿肺0件(同0件)、びまん性胸膜肥厚0件(同1件)となっている(請求時には疾病名は記載しないため、疾病別の請求件数は集計できない)。

なお、労災保険法に基づく石綿による疾病に係る保険給付の請求件数及び支給決定件数を都道府県別にみると、上位3位は、ともに東京、大阪、兵庫の順となっており、請求件数は、東京125件、大阪103件、兵庫88件、支給決定件数は、東京132件、大阪84件、兵庫76件となっている。