立替払額は前年度と比べ19.3%減の約95億円
厚生労働省は、平成27年度の未払賃金立替払事業の実施状況をまとめた。
同事業は、企業倒産に伴い、賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、未払となっている賃金の一部を国が事業主に代わり立て替えるもの(退職日における年齢に応じた限度額あり)。
それによると、27年度に立替払を行ったのは、企業数が2187件(対前年度比15.0%減)、支給者数が2万4055人(同21.2%減)、立替払額が95億3312万円(同19.3%減)となっている。企業数、支給者数、立替払額ともに6年連続の減少となった。また、1人当たりの平均立替払額は39万6000円(対前年度比2.5%増)となっている。
企業規模別にみた立替払の状況は、企業数は30人未満が1967件と全体の89.9%を占めており、ほかでは、30~299人が215件(全体の9.8%)、300人以上が5件(同0.2%)となっている。支給者数は30人未満が1万2243人(全体の50.9%)、30~299人が1万733人(同44.6%)、300人以上が1079人(同4.5%)となっている。立替払額は30人未満が53億円(全体の55.6%)、30~299人が37億9500万円(同39.8%)、300人以上が4億3900万円(同4.6%)となった。
また、業種別の立替払状況は、企業数が最も多いのは商業の506件(全体の23.1%)、次いで、建設業392件(同17.9%)、製造業390件(同17.8%)、接客娯楽業263件(同12.0%)の順となっている。
支給者数が最も多いのは商業の5242人(全体の21.8%)、次いで、製造業5090人(同21.2%)、接客娯楽業3211人(同13.3%)、建設業2381人(同9.9%)の順となっている。
立替払額が最も多いのは商業の23億7500万円(全体の24.9%)、次いで、製造業23億3900万円(同24.5%)、建設業11億7000万円(同12.3%)、接客娯楽業8億5100万円(同8.9%)の順となった。