死亡者数は初めて1000人下回り972人に

厚生労働省は、平成27年の労働災害発生状況をまとめた。それによると、昨年1年間の労働災害による死亡者数は972人で、前年と比べ85人(8.0%)減少し、統計を取り始めて以来、初めて1000人を下回った。また、休業4日以上の死傷者数は11万6311人で、前年と比べ3224人(2.7%)減少した。一時に3人以上の労働者が被災する重大災害の発生件数は278件で、前年と比べ14件(4.8%)減少している。死亡者数、死傷者数、重大災害発生件数ともに2年ぶりの減少となった。

  •  同省のまとめによると、27年の労働災害による死亡者数は全産業で972人となり、前年(1057人)と比べ85人(8.0%)減少し2年ぶりに減少に転じた。労働災害による死亡者数が1000人を下回ったのは、統計開始以来初めて。

    業種別にみた死亡者数は、最も多いのは建設業の327人(全体の33.6%)、次いで、第三次産業248人(同25.5%)、製造業160人(同16.5%)、陸上貨物運送事業125人(同12.9%)、林業38人(同3.9%)、農業、畜産・水産業34人(同3.5%)の順となっている。また、第三次産業の内訳では、商業が92人(第三次産業の中の37.1%)と最も多く、以下、清掃・と畜41人(同16.5%)、警備業29人(同11.7%)、接客・娯楽14人(同5.6%)、保健衛生業8人(同3.2%)の順となった。

    前年との比較では、増加しているのは交通運輸事業(5人増)、港湾運送業(3人増)、農業、畜産・水産業(2人増)、一方、減少しているのは製造業(20人減)、鉱業(3人減)、建設業(50人減)、陸上貨物運送事業(7人減)、林業(4人減)、第三次産業(11人減)となっている。

    次に、死傷災害(死亡災害と休業4日以上の災害)の発生状況をみると、死傷者数は全産業で11万6311人となり、前年(11万9535人)と比べ3224人(2.7%)減少し、死亡者数と同じく2年ぶりに減少に転じている。

    業種別にみた死傷者数は、最も多いのは第三次産業の5万2308人(全体の45.0%)、次いで、製造業2万6391人(同22.7%)、建設業1万5584人(同13.4%)、陸上貨物運送事業1万3885人(同11.9%)、交通運輸事業3256人(同2.8%)、農業、畜産・水産業2775人(同2.4%)の順となった。また、第三次産業の内訳では、商業が1万7150人(第三次産業の中の32.8%)と最も多く、以下、保健衛生業1万708人(同20.5%)、接客・娯楽8453人(同16.2%)、清掃・と畜5834人(同11.2%)、通信2220人(同4.2%)、警備業1401人(同2.7%)、金融・広告1270人(同2.4%)の順となっている。

    前年との比較では、増加しているのは林業(8人増)、農業、畜産・水産業(23人増)、一方、減少しているのは製造業(1061人減)、鉱業(35人減)、建設業(1600人減)、交通運輸事業(92人減)、陸上貨物運送事業(325人減)、港湾運送業(65人減)、第三次産業(77人減)となった。

    重大災害(一時に3人以上の労働者が業務上死傷またはり病した災害)の発生状況は、件数が278件(対前年比14件減)、死傷者数が1321人(同278人減)、死亡者数が31人(同27人減)となっている。

    業種別にみた発生件数では、建設業が111件(全体の39.9%)と最も多く、次いで、製造業50件(同18.0%)、陸上貨物運送事業12件(同4.3%)、交通運輸事業6件(同2.2%)の順となった(その他の事業が98件)。