助成率が中小企業5分の4、大企業は3分の2に
厚生労働省は、平成28年熊本地震の発生に伴う雇用調整助成金の特例として、同助成金の助成率を引き上げるなどの更なる特例措置を追加決定した。
同助成金の支給対象となる事業主の要件は、①売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3ヵ月間の月平均値が、前年同期に比べ10%以上減少していること、②雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数の最近3ヵ月間の月平均値が、前年同期と比べ、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと、③過去に同助成金を受給したことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年を超えていること──となっている。
同省では、このたびの熊本地震に伴う経の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対しては、上記要件のうち、①の生産量等の要件の確認期間を「3ヵ月」から「1ヵ月」に短縮し、初回の休業等実施計画書の提出が平成28年7月20日までのものについては、事前に届け出られたものとして扱う特例措置をいち早く決定・実施している(本誌前号既報)。
そして、追加決定した特例では、休業をした場合の同助成金の助成率を中小企業は5分の4(通常3分の2)、大企業は3分の2(同2分の1)に引き上げている。また、上記要件の②及び③を撤廃している。このほか、通常は対象労働者から除外されている「同一事業主に引き続き雇用保険被保険者として雇用された期間が6ヵ月未満の者」についても助成対象としている。なお、特例措置のうち、助成率の引き上げについては、九州各県内に所在する事業所のみとなっている。