27年の死亡者1000人割る見込みも28年は増加傾向
厚生労働省がまとめた平成27年及び28年の労働災害発生状況(平成28年3月7日現在の速報値)によると、27年の労働災害は死亡者数、死傷者数ともに前年同期を下回っており、近くまとめられる確定値も死亡・死傷災害いずれも2年ぶりの減少となる見込み。一方、28年の労働災害(1月、2月の2ヵ月間)は、死亡者数、死傷者数ともに前年同期を上回っている。
それによると、平成27年の労働災害による死亡者数は932人となっており、前年同期(1015人)と比べ83人(8.2%)減少している。これは、今年1月7日時点の速報値(885人)より47人増えているが、来月にもまとめられる予定の確定値では、初めて1000人の大台を下回るものとみられる(26年の確定値は1057人)。
また、休業4日以上の死傷者数は11万4292人となっており、前年同期(11万7233人)と比べ2941人(2.5%)減少している。死傷災害の対前年同期比は、今年1月7日時点の速報値が1.9%減少、同2月7日時点の速報値が2.5%減少となっており、死亡災害に比べて減少幅は小さいものの、確定値は2年ぶりに前年を下回るとみられる(26年の死傷者数の確定値は11万9535人)。
一方、28年(1月~2月)の労働災害による死亡者数は120人(前年同期比6.2%増加)、死傷者数は1万956人(同5.8%増加)となっている。27年の労働災害が死亡者数、死傷者数ともに2年ぶりの減少が見込まれる中、28年は増加に転じることが懸念される状況にある。