選択定年制を採用している企業が半数以上に
中央労働委員会事務局はこのほど、平成27年「賃金事情等総合調査」の結果をまとめた。調査は、資本金5億円以上、労働者1000人以上の企業(独自に選定した380社)を対象としている。27年調査では、「賃金事情調査」(毎年実施)と「退職金、年金及び定年制事情調査」(隔年実施)を行い、「賃金事情調査」は233社(回答率61.3%)、「退職金、年金及び定年制事情調査」は230社(同60.5%)から得た回答に基づいて集計している。
調査結果の中から、「退職金、年金及び定年制事情調査」についてみると、退職一時金、退職年金制度の採用状況は、「退職一時金制度のみ」12社(集計企業の5.5%)、「退職年金制度のみ」18社(同8.3%)、「両制度の併用」187社(同86.2%)となっている。
退職一時金を採用している企業(199社)について、その算定方法をみると、「退職時の賃金を算定の基礎に用いる」企業は28社(算定基礎について回答した企業の14.6%)で、「算定の基礎に用いない」企業が172社(同89.6%)となっている。退職時の賃金を算定の基礎に用いない場合の算定方法として、「点数(ポイント)方式」を採用している企業が134社(退職時の賃金を算定の基礎に用いない企業の77.9%)、「別テーブル方式」を採用している企業が29社(同16.9%)となっている。
退職年金制度を採用している企業(205社)について、採用している退職年金をみると、「確定給付企業年金(規約型)」が103社(制度を採用している企業の50.2%)、「確定給付企業年金(基金型)」が67社(同32.7%)、「企業型確定拠出年金」が127社(同62.0%)などとなっている。
次に、定年制についてみると、選択定年制(早期退職優遇制度)を採用している企業は111社(同51.4%)で、そのうち、退職一時金の優遇措置があるのは104社(制度がある企業の93.7%)となっており、その中で、年齢に応じて一時金を加算する企業が48社(同43.2%)、支給率を加算した定年退職扱いにする企業が47社(同42.3%)、実勤務年数に定年までの年数を加算する企業が15社(同13.5%)などとなっている。また、退職年金の優遇措置があるのは13社(同11.7%)となっている。