有害業務で化学物質のリスクアセス認知者約5割

厚生労働省は、平成26年「労働安全衛生調査(労働環境調査)」の結果をまとめた。調査は、常用労働者10人以上の民営事業所約1万3000ヵ所とそこで働く労働者約1万6000人を対象に、平成26年9月30日現在で実施している(有効回答率:事業所調査68.8%、労働者調査62.3%)。

まず、事業所調査の結果をみると、労働者の健康に影響を与えるおそれのある有害業務のある事業所の割合は30.4%(前回平成18年調査29.7%)となっている。有害業務の種類別でみると(複数回答)、「有機溶剤業務」16.6%、「粉じん作業」13.4%、「特定化学物質を製造し又は取り扱う業務」7.4%、「重量物を取り扱う業務」4.6%の順となっている。

労働安全衛生法第57条に該当する化学物質を譲渡・提供している事業所の割合は9.5%となっており、そのうち、譲渡・提供する際にすべての化学物質の容器・包装にGHSラベルを表示している事業所の割合は55.7%となっている。また、同法第57条の2に該当する化学物質を譲渡・提供している事業所のうち、譲渡・提供する際に安全データシート(SDS)をすべて交付している事業所の割合は53.8%となっている。

次に、労働者調査の結果をみると、いずれかの有害業務に従事している労働者の割合は29.9%(前回28.5%)となっている。業務の種類別では、「有機溶剤を取り扱う場所での業務」16.8%、「粉じんが発生する場所での作業」11.8%、「重量物を取り扱う業務」8.0%、「特定化学物質を製造し又は取り扱う場所での業務」5.0%の順となっている。

有機溶剤業務や粉じん作業などの主要な有害業務のいずれかに従事している労働者のうち、化学物質に関するリスクアセスメントについて知っている労働者の割合は52.4%(前回31.8%)、また、GHSラベルの絵表示とその意味について知っている労働者の割合は46.1%となっている。