正社員ホームヘルパーの平均月収は19万6800円

公益財団法人介護労働安定センター(久志実理事長)はこのほど、「平成26年度介護労働実態調査・介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果をまとめた。

調査は、全国の介護保険事業所約1万7000事業所で働く介護にかかわる労働者約5万2000人を対象に、平成26年10月1日現在で実施している(有効回答率39.2%)。

調査結果をみると、主な仕事(職種)での平均経験年数は、訪問介護員(介護保険法の指定を受けた訪問介護事業所で働き、高年齢者等の家庭を訪問して家事などの生活援助、入浴などの身体介護を行う者。いわゆるホームヘルパー)7.3年、サービス提供責任者6.6年、介護職員(訪問介護以外の介護保険の指定介護事業所で働き、直接介護を行う者。看護職は含まない)7.6年、介護支援専門員7.0年などとなっている。

賃金についてみると、時給制の者の平均額は、訪問介護員1140円(前年度1122円)、介護職員899円(同900円)となっている。また、通常月の平均月収(賃金の支払形態にかかわらず全体の平均額。税込)は、訪問介護員(正規職員)19万6800円(前年度19万4900円)、介護職員(同)20万5000円(同20万6200円)となった。

次に、仕事についての考え方をみると、現在の仕事を選んだ理由は(複数回答)、「働きがいのある仕事だと思ったから」が52.6%と最も多く、以下、「資格・技能が活かせるから」36.2%、「今後もニーズが高まる仕事だから」35.3%、「人や社会の役に立ちたいから」32.0%と続いている。

また、現在の仕事の満足度(「満足」と「やや満足」の合計)をみると、「職業生活全体」では25.9%となっている。項目別では、「仕事の内容・やりがい」(53.5%)、「職場の人間関係、コミュニケーション」(46.9%)、「職場の環境」(39.2%)、「雇用の安定性」(36.1%)で満足度が高く、逆に、「賃金」(18.9%)は、調査を行った12項目の中で最も満足度が低い。

労働条件等の悩み、不安、不満などをみると(複数回答)、「人手が足りない」が48.3%と最も多く、以下、「仕事内容のわりに賃金が低い」42.3%、「有給休暇がとりにくい」34.9%、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」30.4%、「業務に対する社会的評価が低い」28.6%、「精神的にきつい」27.4%、「休憩が取りにくい」25.7%──と続いた。