司法処分件数は2年連続で減少し1036件

厚生労働省は、平成26年の送検事件の状況をまとめた。それによると、昨年1年間に労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法などの労働関係法令違反で司法処分(送検)した事件は1036件で、前年(1043件)と比べ7件(0.7%)減少し、2年連続の減少となった。違反法令別の送検件数は、労働基準法400件、労働安全衛生法628件、最低賃金法8件となっている。また、業種別にみた送検件数は、最も多いのは建設業の392件、次いで、製造業215件、商業96件、接客娯楽業57件、運輸交通業56件──の順となっている。

  •  26年の送検件数を業種別にみると、例年と同様に建設業と製造業が突出しており、この2業種で全体の6割近くを占めている。送検件数が最も多いのは建設業で392件、以下、製造業215件、商業96件、接客娯楽業57件、運輸交通業56件、清掃・と畜業38件、農・林業36件、教育・研究業28件──と続いている。

    業種別の送検件数を前年と比べると、前記上位8業種の中で前年より増加しているのは建設業(23件増)、商業(17件増)、清掃・と畜業(5件増)、農・林業(11件増)、教育・研究業(1件増)の5業種で、一方、製造業(16件減)、接客娯楽業(18件減)、運輸交通業(13件減)の3業種はいずれも2ケタの減少となっている。

    次に、違反法令別にみた送検件数は、労働基準法違反が400件で、前年(474件)と比べ74件(15.6%)減少している。

    違反内容別では、賃金の支払(第24条、最低賃金法第4条)が255件と最も多く、以下、労働時間(第32条)39件、割増賃金(第37条)33件、労働条件の明示(第15条)16件、解雇の予告(第20条)8件、就業規則の作成及び届出の義務(第89条)6件、強制労働(第5条)5件、休日(第35条)5件、賃金台帳(第108条)4件──と続いている(1つの事件で複数の被疑条文がある場合には、主たる被疑条文により件数を計上。以下同じ)。

    また、労働安全衛生法違反が628件で、前年(560件)と比べ68件(12.1%)増加している。

    違反内容別では、設備等(第20条)が199件と最も多く、以下、作業方法(第21条)173件、報告等(第100条)127件、就業制限(第61条)40件、注文者(第31条)26件、作業主任者(第14条)12件、安全衛生教育(第59条)11件、特定元方事業者等(第30条)10件、衛生関係(第22条)9件、定期自主検査(第45条)4件、計画の届出等(第88条)4件──と続いている。

    このほかに、最低賃金法違反による送検が前年と同数の8件あった。その違反内容は、法第4条の最低賃金の効力に関するものが6件(前年8件)、法第32条の労働基準監督官の権限に関するものが2件(同0件)となっている。