長期失業者等総合支援事業は「廃止」と結論される
厚生労働省は、さる6月15日、同22日の2日間にわたって、平成27年行政事業レビューの公開プロセスを実施した。
行政事業レビューは、府省庁版の「事業仕分け」にあたるもので、各府省における全ての事業について事業の実態を十分に把握・点検し、その結果を今後の事業執行や予算要求などに反映する取組み。また、行政事業レビュー対象事業の一部については、公開の場で外部有識者を交えて検証することになっている(公開プロセスの実施)。
同省の27年の公開プロセスは7つの事業を対象に実施した。そのうち、労働行政関係のものは、①長期失業者等総合支援事業、②雇用均等コンサルタント関係経費(短時間労働者均等待遇啓発事業)、③働きやすい職場環境形成事業──の3事業。
検証の結果、長期失業者等総合支援事業については「廃止」、他の2事業については「事業全体の抜本的な改善」という評価が下された。
長期失業者等総合支援事業は、1年以上の長期にわたり失業している者(長期失業者)及び長期失業に至る可能性の高い求職者に対して、再就職支援の充実・強化を図るため、ハローワークが実施する職業紹介を基軸に民間職業紹介事業者への委託によるキャリア・コンサルティング、就職セミナー、求人情報の提供、職業紹介、就職後の職場定着支援などの就職支援を総合的に実施することによって、長期失業者等の早期再就職を促進するもの。
同事業を廃止すべきとした理由については、「雇用失業情勢の改善によって長期失業者が減少していること、事業の効果測定などが十分でない」としている。なお、同事業の27年度の予算額は20億2500万円。
また、職場のパワーハラスメントの予防・解決への取組みを進めるための国民及び労使に向けた周知・広報などを行っている働きやすい職場環境形成事業については、企業におけるパワーハラスメント防止対策の進捗に同事業が具体的にどう寄与しているかを分析するなどし、事業継続の必要性なり出口戦略を検討していくことが必要との結果が出された。